カロリーがどうとか、肝臓がどうとか、
けっこう、人並み以上に気にしながら、
それでも今夜も、酒を飲みつつ録りためたテレビをみて、
夜が更けるのを待っている。
夜が更けないと、だめなんだ。
浅い夜の僕は、あたりまえのことに取り囲まれて、
そう、
あたりまえのことに取り囲まれて、
あたりまえのことばかり、繰り返し考えてしまう。
それが辛くて、
とてもとても辛くて、
僕は安い酒を繰り返しグラスに注いで、
ぼんやりとテレビを眺めながら、
夜が更けるのを待っている。
夜が深まると、
僕はだんだんと、
あり得ないことを想いはじめる。
それは、
あり得ない世界のあり得ない物語であったり、
ちょっとだけ隣の世界の、やっぱりあり得ない物語であったり、
それから、
僕の明日の、けれどあり得ない物語であったり。
それが、希望に繋がることを願いながら、
酒を口にして、
物語の続きを探してゆく。
酔った頭を冷ますのが惜しくて、
最後の一杯を飲み干したら、
僕はすぐに横になる。
眠気を誘う頭痛薬を飲んで、
とてもずるい方法で眠りにつく。
明日の朝、僕が、
例えば一冊の本になって布団の上に横たわっていたら、
それを読んだ誰かが、
きっと辛い気持ちになるような、
僕はきっと、
そんな物語を紡いでいる。
2007/11/30(Fri) 02:27
3万日
仕事がポカっと空いたので、
忙しくて取れなかった夏休みを消化することにした。
博物館に行ったり、
新しい目覚まし時計を買いに行ったり、
それなりに充実した1日。
でも、
そう、明日も夏休み。
テレビでは、1500年も昔の継体天皇の話をしている。
継体天皇の時代から、1500年。
継体天皇の時代から、55万日。
けれど、僕は、
55万日の歴史を薄っぺらい画面で眺めながら、
明日の1日を、
どう過ごそうか迷っている。
たぶん僕は、
僕に与えられた3万日を、
こうして、
無駄に過ごそうとしている。
ああ、そうじゃない。
僕は、
無駄な1日を、どれだけ有意義に過ごすか、
ああ、そうじゃない。
僕は、
無駄な3万日を、どれだけ有意義に過ごすか、
それだけを考えて生きている。
それが、
無駄な事だと知ってはいるけれど、
それでも僕は、
僕に与えられた3万日を、
1つづつ、
1つづつ、
1つづつ、
消化している。
忙しくて取れなかった夏休みを消化することにした。
博物館に行ったり、
新しい目覚まし時計を買いに行ったり、
それなりに充実した1日。
でも、
そう、明日も夏休み。
テレビでは、1500年も昔の継体天皇の話をしている。
継体天皇の時代から、1500年。
継体天皇の時代から、55万日。
けれど、僕は、
55万日の歴史を薄っぺらい画面で眺めながら、
明日の1日を、
どう過ごそうか迷っている。
たぶん僕は、
僕に与えられた3万日を、
こうして、
無駄に過ごそうとしている。
ああ、そうじゃない。
僕は、
無駄な1日を、どれだけ有意義に過ごすか、
ああ、そうじゃない。
僕は、
無駄な3万日を、どれだけ有意義に過ごすか、
それだけを考えて生きている。
それが、
無駄な事だと知ってはいるけれど、
それでも僕は、
僕に与えられた3万日を、
1つづつ、
1つづつ、
1つづつ、
消化している。
category 3.詩
2008/03/23(Sun) 01:08
2008/06/05(Thu) 19:55
夜明け前
誰もがそれぞれ違った形の
目や鼻や口や
そういったものを
顔の上に整然と並べ
ときどき奇妙にゆがめながら
僕に向かって歩いてくる
すれ違いざま
彼らはちらりと僕を見て
まるでなにも見なかったように
そのまま歩いてゆく
いつだったか
僕は下を向いていたら
目と鼻と口を
いっぺんに落っことしてしまい
最初のうちは
何も見えなくて困ったけれど
そのうち慣れてしまった
それから僕は
どこかで見たくないものを見て
まぶたを閉じられず
それから僕は
切ない匂いを嗅いで思い出し
けれど涙は遠くで流れ
それから僕は
助けを求めて叫び
声は僕にも聞こえないところで響き
僕はいつもの場所にうずくまって
ただ朝日が肌を撫で
夜明けを知らせてくれるのを待っている
目や鼻や口や
そういったものを
顔の上に整然と並べ
ときどき奇妙にゆがめながら
僕に向かって歩いてくる
すれ違いざま
彼らはちらりと僕を見て
まるでなにも見なかったように
そのまま歩いてゆく
いつだったか
僕は下を向いていたら
目と鼻と口を
いっぺんに落っことしてしまい
最初のうちは
何も見えなくて困ったけれど
そのうち慣れてしまった
それから僕は
どこかで見たくないものを見て
まぶたを閉じられず
それから僕は
切ない匂いを嗅いで思い出し
けれど涙は遠くで流れ
それから僕は
助けを求めて叫び
声は僕にも聞こえないところで響き
僕はいつもの場所にうずくまって
ただ朝日が肌を撫で
夜明けを知らせてくれるのを待っている
category 3.詩