ばあちゃん、
見送りに行けなくて、ごめんね。
どうしてもね、どうしても抜けられない仕事があってね、
休むわけにはいかなかったんだ。
ばあちゃん、
ほら、パソコン、って覚えてるかな。
ずっと前、僕がまだ高校生だった頃。
母さんが突然僕の部屋にばあちゃんを連れてきて、
パソコン見せてあげてって。
僕はどうしたらいいかわからなくって、
とにかく大きな文字がぴかぴか光るだけの、
簡単なプログラムを走らせてみたんだ。
ばあちゃんには訳がわからなかったと思うけど、
正座したままニコニコニコニコ、ずっと見ててくれたっけ。
あれがね、パソコン。
ばあちゃん、
そのときに僕は、
この、訳のわからない機械で、
もっともっと、人をニコニコさせられたらなって思ったんだ。
人の言いなりにしか動けないこの機械で、
僕の気持ちを届けられたらなって思ったんだ。
ばあちゃん、
僕はあのまま大人になって、
今、そのパソコンで仕事してるんだよ。
休んだら困る人がいるくらい、
大事な仕事を任せてもらえるようにもなった。
だからね、ばあちゃん。
ごめんね、見送りには行けなかったんだ。
だけどね、ばあちゃん。
こんな薄情な孫を、自慢に思ってほしいんだ。
パソコンとかいう機械で、
人をニコニコさせようと毎日一生懸命働いてるんだよって、
自慢してほしいんだ。
僕、がんばるから。
僕、がんばるから。
ばあちゃん、
見送りにはいけなかったけど、
ずっと、
ずっと、
ばあちゃんのことは忘れないから。
ありがとうね。
ばあちゃん。
Twitterでコメント

