一冊の本

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カロリーがどうとか、肝臓がどうとか、
けっこう、人並み以上に気にしながら、

それでも今夜も、酒を飲みつつ録りためたテレビをみて、
夜が更けるのを待っている。

夜が更けないと、だめなんだ。
浅い夜の僕は、あたりまえのことに取り囲まれて、

そう、

あたりまえのことに取り囲まれて、
あたりまえのことばかり、繰り返し考えてしまう。

それが辛くて、

とてもとても辛くて、
僕は安い酒を繰り返しグラスに注いで、
ぼんやりとテレビを眺めながら、
夜が更けるのを待っている。


夜が深まると、
僕はだんだんと、
あり得ないことを想いはじめる。

それは、
あり得ない世界のあり得ない物語であったり、
ちょっとだけ隣の世界の、やっぱりあり得ない物語であったり、
それから、
僕の明日の、けれどあり得ない物語であったり。

それが、希望に繋がることを願いながら、
酒を口にして、
物語の続きを探してゆく。


酔った頭を冷ますのが惜しくて、
最後の一杯を飲み干したら、
僕はすぐに横になる。

眠気を誘う頭痛薬を飲んで、
とてもずるい方法で眠りにつく。


明日の朝、僕が、
例えば一冊の本になって布団の上に横たわっていたら、

それを読んだ誰かが、
きっと辛い気持ちになるような、

僕はきっと、
そんな物語を紡いでいる。

2011年10月

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このページは、たたなかが2007年9月30日 23:50に書いたブログ記事です。

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