新橋のオトーサン

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 夜、ちょっと用事があって新橋に降り立った。
 新橋の夜というのは、ほどよく酔ったオトーサンたちがイキイキフラフラと歩いていて、駅前にぽつんと立ってみるとなんだか動物ふれあい広場でヤギやヒツジたちに囲まれているのに似た安らぎを覚える。こんなことを言ったら、ワレワレはニッポンを支えるシンバシのサラリーマンであるぞ!ヤギヒツジ扱いするとはけしからんけしからん!と怒られてしまうかもしれないけれど、あくまで個人の感想なのだから許してほしいな。
 ヤギだヒツジだとバカにしているわけではなくて、新橋は、いや新橋のオトーサンというのは魅力的なのだ。その魅力というのは朝と夜のギャップにあるのではないか、と僕は思う。
 そりゃあ、夜のオトーサンたちはふにゃふにゃへにゃへにゃと絶望的に頼りなく情けないけれど、朝のオトーサンたちは違う。
 バリッ!とスーツに身を包みキリッ!と眉をつり上げカッ!カッ!カッ!と早足で歩き、とにかくなんでもかんでも「ッ!」「ッ!」としているのだ。このあたりが、朝から晩まで24時間年中無休でふにゃへにゃしている若造とは違うんだなあ。
 ふだんテレビに映る新橋のオトーサンたちは、いつだってどうしようもなくへべれけだ。だから、世の中の奥様たちはマァなんざんしょあのだらしない姿…よもやタクの主人はそんなことないでしょうけれどアアやっぱり毎日酔っぱらって帰ってくるし公衆の面前であんな風に醜態を晒しているんざましょか、なんて心配してしまうかもしれない。
 けれど安心してほしい。新橋のオトーサンには朝の顔と夜の顔がある。そして朝の顔は、例外なくとてもカッコイイのだ。

2011年10月

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このページは、たたなかが2007年5月31日 20:23に書いたブログ記事です。

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